和名はヒメサユリで、勿論ユリ科の植物です。「乙女ゆり」「さゆり」「あいづゆり」
などとも呼ばれ古くは近縁種ササユリが日本列島を東北に分布を伸ばし、
その地の環境に即応するように進化したものとみられています。白生分布は福島、
山形、新潟三県の県境に接した朝日、飯豊山系、吾妻山系、守門、浅草岳、
宮城県白石川上流の一部にしか見られない貴重な植物です。
本村での開花期は雪どけの早い年には5月下旬から、平年では6月初め頃です。
保護増殖地に群生する「ヒメサユリ」は、種子から自然に増殖したものです
10月、さく果の中で結実した種子が地面に落ち、次の年に地下発芽し小球根を形成、
二年目の春ようやく一枚の葉を地上に現わします。三年目は一〜二枚、四年目に茎立ちし
5〜6枚の葉を付け、生育のよいものが5年日で1〜2輪の花を咲かせます。
地表に種子が落ちてから花を着けるまで5〜6年もかかるのです。
本村では乱獲され絶滅寸前の昭和44年に農協が、地主である五目集落の協力を得て
保護増殖に着手、村は昭和54年に「村花」に指定、保護増殖に努め群落をなすまでになりました。
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